Can't take my Eyes off …Who?

There's nothing else to compare

EX-dir(メモ)

1年…と言いたいところではありますが、「仮面ライダーエグゼイド」が(諸事情により1ヶ月少ない)11ヶ月の放映を終えました。放映は終わったけど展開は全然!全っ然終わってないけど!スナイプZEROの続きに冬映画に裏技パラドクス…とまぁここまではいい、規定路線なんだけどまさかのVシネ3本にひっくり返っているわ…なんなん…

www.ex-aid-trilogy.com

あと恒例のファイナルステージ&キャストトークショーもあるし、私はこれから新宿バルト9のイベントに行くし、終わった気がまるでしないけれども、イベントで余計な情報が入る前に昔から一度やってみたかった総括メモを置いていきます。ストーリーの話は一切していません。



エグゼイドは私にとってはほんとに久々にガッツリ、執拗に見ていたライダーで、私は執拗に見れば見るほど各監督の傾向や特色が気になってくるんだよね。んでネットのおたくの論壇(ってほどでもない)では未だに監督の話ができる層ってめちゃくちゃ薄い気がしてならないので、まぁせっかくなので私の印象だけでもメモっとこうかなって。自分自身の記録でもあるけど。
あくまで私の主観と好みに基づくものなので、異論反論はいくらでもお受けします。むしろそういうのが欲しいからやってるとこある。
ちなみにここの人が好きな監督は長石多可男監督と石田秀範監督なのでそういうのが好きなヤツなんだなってつもりで読んでください。
例年通りであれば冬に出るはずの公式読本とも照合できたらいいなぁ。



●中澤祥次郎監督
担当話:1,2,7,8,13,14,19,20,25,26,43,44,45
トゥルー・エンディング(夏映画)

お芝居の撮り方が丁寧で熱がある。キャラクターの視線や距離感による情緒の演出がうまい。一枚画として叙情的かつかっこいい画を要所要所でちゃんと作ってくれるので、映画も含め眼福度が高くてさすがのメイン監督です。25話のCパート(とアバンタイトル)なんか最高っすね。基本的に真面目なので序盤はアクションシーンのテンポ感に欠けてたのは気になったし、玩具の見せ方がイマイチな面も多少あるっちゃあるけど。中盤以降は手持ちカメラの使い方とかちょっと山口監督に影響受けはじめたんじゃないかなあ?コミカルなところの撮り方も昔からセンスが良い人だと思う(なにせニンニンジャーのメイン監督でもある)音合わせで画面のリズムを作ってたり、BGMやSEで場面を上手く繋いでたり、音を使うのが得意な印象もあるかな。


坂本浩一監督
担当話:3,4
平成ジェネレーションズ(冬映画)

相っ変わらずお芝居部分の素っ気なさが好みじゃなさすぎるんですけど、アクションまわりのテンポの良さが序盤の勢いをつけてくれたように思います。特に4話のレースバトルは秀逸。平ジェネも同様、ドラマ部分の説得力をOBの役者力量に頼りすぎててダメすぎるけど物量の多さで押し切ってきたし、あれくらい割り切ってくるならそれはそれで楽しい。


●山口恭平監督
担当話:5,6,11,12,17,18,23,24,29,30,35,36,41,42

アクション絡みのカメラ割りの工夫が印象に残る。特に下アングルからの広角のカット。手持ちカメラでの疾走感なんかも。だだ特に中盤以降話がこみ入ってきてからのストーリーテリング能力に問題がありすぎる気がするんだよな…。話が並行して進行するときにどこをメインに見せたいのかを見失いがちなので全体を把握しづらい。たぶんタイムラインの組み立て方が平面的なんじゃないかと思う。ついでに随所が妙に真面目なのでもっとキャラ萌えに寄せてもいいのよ?画としては12話をはじめ雨を降らせてた印象が強いけど、この人の真骨頂は炎の使い方、太陽の使い方、赤の使い方ではなかろうか。11話とか17話とか29話とか41話とか。“燃え”がかっこいいんだよね。


●諸田敏監督
担当話:9,10,15,16,21,22,27,28,37,38

現在のローテーションメンバーで唯一、古き良き(?)平成ライダーのシュールギャグ時空を今に伝える監督…であると同時に画面づくりにおいてもキャストの芝居の引き出し方において硬軟自在のさすがのベテラン。エグゼイドの場合は硬は主に飛彩で軟はだいたい黎斗ですね。飛彩に関しては台詞追加までしてる(10話)とのことなのでめちゃくちゃ丁寧だよなぁ。一方黎斗のあれこれも非常に冴えてた…半裸とかな!黎斗にしろパラドにしろ、悪役の撮り方に全体にクセがあるから好き。ていうか撮ってる本人がめちゃくちゃ楽しそうなのが伝わってくるw 某番組でやたら水に落とす監督として名指しされてましたけど、役者だけでなくガワも結構細かいところで落としまくっててこのへんはもはや手癖では…。画としては人の配置に奥行きがある画が多くて素晴らしい。


●田村直己監督
担当話:33,34

スポット参加でしたがクロノスのポーズまわりの描写で往年のおたくを沸かせてくれましたね…34話の止まった雨もそうだけど33話の瓦礫をどける動作も好き。ドラマ面でも人物間の緊張感の描写がさすがで、それがあるからこそ全体にメリハリがついていた印象。全体的に画面の雰囲気が他の監督陣に比べて渋いのはずっと刑事ドラマやってるからかな。


●上堀内佳寿也監督
担当話:31,32,39,40
仮面戦隊ゴライダー

助監督での参加から本編監督に昇進。やってみたいことのアイデアが豊富なように見受けられるし、その豊富な引き出しからなかなか強烈なケレン味を提示してくれている。整合性よりケレン味を優先しまくってるけどそういうケレン味こそ昨今不足しがちだったところではあるので今後も期待しています。ただ本格的にローテ入りした際にこのペース保て…ます…?色々工夫するのはいいんだけど工夫して趣向を凝らした箇所のインパクトが強くなりすぎて話全体のバランスをやや欠いてる面も。お芝居の見せ方も悪くないのに、自分で吹っかけたケレン味でそのへんの良さを自分で潰しちゃってる感あるのがもったいなさすぎなのよね主に31話と40話のはなしだけど。要は見ててちょっと疲れるんでもう少し…肩の力を抜いて緩急つけてほしいなって…


●金田治監督
超スーパーヒーロー大戦(春映画)

まぁ社長は社長…っつーか画としてはダーク飛彩とエイトの遊園地(メリーゴーランド)のとことか、乱戦でジュウオウタイガーを追っかけるところとか色々印象に残る箇所はあったんだけどご本人の話(4月トークイベント)聞いたらわりとどうでもよくなっちまったちくしょう!!


●鈴村展弘監督
裏技シリーズ(ブレイブ・ゲンム・スナイプ・レーザー)

(※ゲンムは全部見れてない)
スピンオフは本編や映画と求められるものが若干違ううえ予算も全然違うだろうから同じ地平で評価するのはちょっと難しいんですが、それぞれかなり割り切った撮り方をしてる…かな?その中でもわかりやすいメタファー的な画を挟みこんだりしてパッと印象に残るポイントを置いてるのはさすが。たぶん本編も見てはいるんだろうけど全体的にあんま本編に引っ張られてはなくてそれぞれ雰囲気が違う。けどそれが意図的なのかスピンオフゆえなのかはわからん。トリロジーも鈴村監督らしいのでそちらも楽しみにしています。





…あと細かい話だとニコちゃんは諸田監督の時がいちばん元気でかわいいとかポッピーは中澤監督の時がいちばんピポパポしてるとか山口監督はたぶん監督の方が黎斗に振り回されてるとかいろいろあるんだけどw なかなか複雑で芯を通すのが難しそうな脚本を今年も各監督面白く調理してくださっていたと思います。たのしかった!!まだあるけど!!